有明海研究所のり養殖課 内藤 剛

臥竜というより土竜ついに立つ

 平成8年に県に採用されてから5年間、県庁の漁政課で雌伏(至福?)の日々を過ごしてきました。 この間漁業調整係(主に漁業法)、団体指導係(主に水産業協同組合法)と、法律を相手にする仕事ばかり 担当してきましたが、今年の4月に念願の研究所に異動になりました。これで生き物や海を相手に仕事が 出来る、喜んだのもつかの間、そこは福岡県、いや日本の水産業で今一番ホットかもしれない職場、有明海 研究所でした。

ノリのエキスパートへの登竜門

 現在ノリ養殖課でノリ養殖に関すること、水質分析及び普及業務を担当しています。ノリや分析についての 知識は学生時代に講義で学んだ程度なのですが、有明問題の渦中に置いて甘えが許されるはずもなく、調査、 分析、普及と容赦なく現場に駆り出される毎日です。特に今年は漁業者の方々を始めとして海況については 関心が高いようで、問い合わせが殺到しており、海の状況を出来るだけ速くかつ正確に把握し、関係者に お知らせすることの大切さを感じます。あとは得られた情報をただ蓄積するだけではなく、どのように 活用していくかが今後の課題だと思います。

竜頭蛇尾で終わらないよう

 自分の仕事の内容を振り返ってみますと、漁政課時代の検査や指導、研究所での調査研究や普及、一見すると 漁業者に接する際にスタンスが180度変わったような印象がありますが、どちらも福岡県の水産業振興のための 仕事であるという点では何ら変わりないものだと思います。
 これからも、県庁での経験を生かしつつ、一日も早く本当の意味で漁業者のみなさまのお役に立てるよう、 99%の努力と1%のはったりで頑張っていくつもりです。

(有明海研究所のり養殖課)

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