なみなみ通信Vol.40 |
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海況情報
表層水温は、筑前海沖合域では1月は平年並み、2月、3月はやや高め、筑前海沿岸域では1月から3月を通してやや高め、有明海及び豊前海では1月から3月の期間を通して、平年並みで推移しました。 |

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関門海峡たこ調査
関門海峡で、主にたこつぼ漁業によって漁獲されたマダコは「関門海峡たこ」と呼ばれ、北九州市の名産となっています。その一方で、生態や資源状況については不明な点も多いため、漁業資源課では、マダコの成熟状況や漁獲状況について調査を行っています。
調査の結果、主に3月前後と、9月前後に雌の成熟度が高くなることから、大きく分けると年に2回産卵が行われていることがわかりました。また、3月に成熟する群のほうが大型になって成熟している可能性が示唆されました。
今後もさらに調査を進め、関係者と連携を深めながら、持続的なたこ漁業が可能となるように資源管理や、販売促進等の方策を探っていきたいと考えています。 |

たこつぼ漁の様子 |

マダコの雌の月別平均成熟度 |

マダコの雌の体重と成熟度の関係 |
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平成20年度有明海のり養殖経過と生産結果
1.養殖経過
(1)育苗・秋芽生産期
採苗は、水温の降下状況と潮まわりから過去2番目に遅い10月17日から開始されました。冷凍網入庫は11月10日から、初摘採は11月15日から開始されました。壺状菌が11月10日、あかぐされ菌が11月17日に確認され、病害対策として、網の干出管理が行われました。
秋芽網生産は、5〜6回摘採して、12月25日に終漁しました。
(2)冷凍生産期
冷凍網は1月4日から張り込まれました。当初は、水温が低く、日照時間が短かったことから生産枚数が少なかったものの、2月からは順調な生産が行われました。秋芽網と同様に壺状菌の感染被害が心配されましたが、網の管理が徹底して行われたため、病害被害も最小限に抑えられました。2月下旬にまとまった降雨があり、3月上旬には筑後川河口域を中心にあかぐされ病の被害が認められ、一部で網を張り替えて、4月10日に終漁しました。
2.生産結果
平成20年度の総生産(表)は、枚数は平年並みとなりましたが、単価が低迷したため金額は平年の1割減となりました。 |

のり生産実績
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ヨシエビが豊漁(豊前海)
ヨシエビは、クルマエビ科の大型のエビです。豊前海では、主に冬場の小型底びき網(けた網)で漁獲され、スエビ、キノコエビ、ガシラなどの地方名で呼ばれています。平成20年度漁期は、けた網が解禁となった11月中旬以降、豊漁が続いています。行橋魚市場での取扱量は、3月中旬までの集計で、15.5tで、前年の漁期の合計値約7.4tを大きく上回り、過去5年間でも最高の取扱量となっています。豊前海研究所による試験操業の結果、20年度については、11月は資源量は昨年の数倍以上多く、また、1月以降も例年より多い資源量が確認されています。豊前海ではヨシエビの種苗放流が積極的に行われています。今後とも資源を増やし、守りながら安定した漁業を目指す必要があります。 |

ヨシエビ
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過去5年間の行橋魚市場でのヨシエビ取扱い量
※20年度は3月中旬までの集計
(画像をクリックすると大きな画像が表示されます。) |

試験操業の結果の比較
(画像をクリックすると大きな画像が表示されます。) |
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Vol.40
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