赤潮・貧酸素情報(2)

平成22年7月21日

福岡県水産海洋技術センター 豊前海研究所

 7月20〜21日に漁港内と漁場において、赤潮調査と貧酸素調査を行った結果、苅田本港で有害プランクトンのカレニア・ミキモトイ赤潮が、苅田南港で貧酸素が認められました。


<赤潮の状況>

○苅田本港でカレニア・ミキモトイ赤潮(底層海水1ml中に1,133細胞)が認められています。

○カレニア・ミキモトイは、数千〜1万細胞で魚介類に被害を及ぼします。

○本種は、赤潮発生初期は中層(主に5m層前後)で増殖する性質を持っていますので、海面からの観察では海水の着色が判別しにくい種類です。


<貧酸素の状況>

○苅田南港の底層で約25%の貧酸素が認められました。

○酸素濃度は、およそ30%以下で魚介類に影響を及ぼし、10%以下でへい死する恐れがあります。


<今後の状況>

○苅田本港以外でも、海水1ml中に数百細胞認められた漁港や漁場があり、今後の天候次第では赤潮や貧酸素が発生する恐れがあります。

○今のところ、大きな漁業被害は認められていませんが、研究所では引き続き調査を実施しますので、今後の情報に十分ご注意下さい。


※漁業被害、海面の着色などがみられましたら、豊前海研究所(0979-82-2151、担当:尾田、大形)までご連絡下さい。





                  図 赤潮発生範囲図


※6月28日に宇島港と宇島漁港で発生が確認されたヘテロシグマ・アカシオによる赤潮は7月2日に終息が確認されました。