赤潮・貧酸素情報(4)

平成22年8月4日

福岡県水産海洋技術センター 豊前海研究所



 8月2、3日に漁港内と漁場で赤潮調査と貧酸素調査を行った結果、柄杓田漁港から恒見漁港、および松山で有害プランクトンのシャトネラの増殖が、北九州空港南東部で貧酸素が認められました。



<赤潮の状況>

○柄杓田漁港から恒見漁港にかけての港内および沿岸で、シャトネラが高密度(最高密度は柄杓田漁港の表層海水1ml中に2,073細胞) に分布しています。

○晴天続きで増殖したシャトネラが、東よりの風により岸に寄せられて着色したのと思われます。

○シャトネラは、赤潮状態に達しない少ない細胞数(海水1ml中に数十細胞)でも、魚類などをへい死させるおそれがあります。

○このため、海水が着色していない漁港でも、漁船の活間や港内に活かした漁獲物を衰弱・へい死させることもありますので、十分にご注意ください。


<貧酸素の状況>


○貧酸素水塊は北九州空港南東部(酸素濃度20.5%)で認められています。

○なお、酸素濃度はおよそ30%以下で魚介類に影響を及ぼし、10%以下でへい死する恐れがあります。


<被害の状況>

○柄杓田漁港内で貧酸素と赤潮が原因と思われる畜養中の漁獲物の斃死報告が入っています。

○北九州空港南東部から蓑島沖にかけた漁場で貧酸素が原因と思われる建網漁獲物の斃死報告が入っています。


<今後の状況>


今後もこのような気象条件が続けば、シャトネラによる着色域が拡大する恐れがあります。

○研究所では引き続き調査を実施しますので、今後の情報に十分ご注意下さい。


※漁業被害、海面着色などがみられましたら、豊前海研究所(0979-82-2151、担当:尾田、大形)までご連絡下さい。




            図 漁港内(★)おび漁場調査(@〜E)の調査点