赤潮・貧酸素情報(6)
平成24年7月26日
福岡県水産海洋技術センター豊前海研究所
<有害プランクトンの状況>
表1 漁場調査結果(7月25日、7:00〜11:30)
表2 漁港内調査結果(7月25日、10:00〜10:30)
○シャットネラは漁場全域で確認されています。
○宇島漁港や漁場でも海水1ml中に数十細胞以上認められており、その他の漁港、漁場でも十分注意が必要です。
○シャットネラは赤潮状態に達しない少ない細胞数(海水1ml中に数十細胞)でも、魚類などをへい死させるおそれがあり、日中は表層で確認されますが、夜間は底層に移動します。
○これらのことから、海水の着色が認められない状態でも、漁船の活間や港内に活かした漁獲物や、かご、さし網、枡網にかかった漁獲物が衰弱、へい死する恐れがあります。
○7月23日に認められたノクチルカ(夜光虫)赤潮は、中部から南部海域にかけて認められています。
○また、南部沖(図1のH)で有害種カレニア・ミキモトイの増殖も確認されています。
<貧酸素の状況>
○貧酸素水塊が椎田いかだ(図1のD)で認められています。
※酸素濃度(DO(%))は、およそ30%以下で魚介類に影響を及ぼし、10%以下でへい死する恐れがあります。
<漁業被害の状況>
○宇島港内で、カゴに入った漁獲物(マアナゴ、メバル等)が斃死したとの情報が入っています。漁港での蓄養は避け、活け〆等を行い早めの出荷を心がけてください。
○また、苅田町地先でも、漁獲物が斃死したという情報が入っています。
<今後の状況>
○今後、大潮に向かい、シャットネラは分布域が移動したり拡大したりする恐れがあります。
○研究所では引き続き調査を行いますので、今後の情報に十分ご注意下さい。
※今後、漁業被害、海面着色などがみられましたら、豊前海研究所 (0979-82-2151、担当:尾田、大形)までご連絡下さい。
図1 調査地点図