赤潮・貧酸素情報(7)
平成24年7月30日
福岡県水産海洋技術センター豊前海研究所
中南部海域で貧酸素水塊が発生しています。
苅田本港、稲童漁港ではシャットネラによる赤潮が発生しています。
<貧酸素水塊の発生状況>
表1 漁場酸素濃度測定結果(7月30日)
○貧酸素水塊は稲童いかだ(図1中E)周辺から、宇島いかだ周辺(図1中G)にかけて認められています。
○特に、宇島いかだ周辺で著しく低下しています。
○なお、前回(7月25、26日)の調査では椎田いかだ周辺と南部魚礁周辺で認められています。
※酸素濃度(DO(%))は、およそ30%以下で魚介類に影響を及ぼし、10%以下でへい死する恐れがあります。
<漁業被害の状況>
○南部魚礁付近(図1のJ)で操業した小型底びき網に、へい死した魚介類(スズキ、カサゴ、テナガダコ等)が入網したとの情報が入っています。
<有害プランクトンの状況>
○カレニア・ミキモトイが、椎田いかだ、および宇島いかだの底層で海水1ml中にそれぞれ280細胞、および240細胞認められています。
※カレニア・ミキモトイは、数千〜1万細胞で魚介類に被害を及ぼします。
○シャットネラは低密度ですが各漁場で認められています。
○苅田本港、稲童漁港内ではシャットネラによる赤潮が発生しています。
○低密度ですが苅田本港、稲童漁港以外でもシャットネラは認められています。
○漁港での蓄養は避け、活け〆等を行い早めの出荷を心がけてください。
※シャットネラは赤潮状態に達しない少ない細胞数(海水1ml中に数十細
胞)でも、魚類などをへい死させるおそれがあります。
<今後の状況>
○貧酸素水塊の分布域は、今後も移動したり拡大したりする恐れがあります。
○研究所では引き続き赤潮と貧酸素の発生状況について調査を行いますので、今後の情報に十分ご注意下さい。
※今後、漁業被害、海面着色などがみられましたら、豊前海研究所 (0979-82-2151、担当:尾田、大形)までご連絡下さい。
図1 調査地点図